shapieron

勘違いバリュー投資家が真のトレーダーになるまでの物語

ドブ川ウシガエル戦記 前編 2019年開戦

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wikipediaより

 

1.プロローグ

2018年夏は悪夢の年だった。

アパート裏のドブ川にウシガエルが大量発生し、毎晩グェグェと鳴いた。

私の寝室はドブ川に面しており、日が沈むとひたすらにウシガエルの鳴き声が聞こえた。

それは深夜にも及んだ。暑い夏でも窓を開けることができず、雨戸を閉めても容赦無く襲いかかるウシガエルの声のせいで、私は瞬く間に不眠症になってしまった。

エアコンがなく窓も開けられない状態では2018年の酷暑を乗り越えることはできなかった。自室で寝る限り、蒸し暑さを許容するか、1回/1時間の割合で睡眠を妨げられる苦痛を許容するかの二択だった。

 

「そんなことは許されない」

「人間様がウシガエルごときに屈服するなんて考えたくもない」

「地獄に落ちるのは私ではなく、お前たちウシガエルだ」

ウシガエルの駆除を、心に決めた。

 

はじめに、近所の釣具店でバス用の釣竿を購入した。ウシガエルを釣り上げる作戦だ。しかし、非常に警戒が強いウシガエルは人間が川岸に近づくとすぐに水中に逃げてしまう。何度かチャレンジしたがウシガエルを捕まえることができなかった。

 

釣り以外の方法を探し求めた私は、アナゴカゴ で捕まえるという情報を入手し、早速Amazonでアナゴカゴ 「お魚キラー」を購入した。

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※餌は魚肉ソーセージ

アナゴカゴ とは文字通りアナゴを捕まえるための仕掛けだ。

アナゴやウナギは狭いところに隠れる習性があるため、狭いアナゴカゴ の入り口を隠れ家と勘違いして入ってしまう。入り口は徐々に狭くなるため、一度入ると出られないのだ。これはアナゴだけではなく、ウシガエルや他の普通の魚にも有効である。

夏の間アナゴカゴ を設置していたが、川の水位の上下が激しく、ちょうどよくアナゴカゴ の入り口が水面に浮かぶ状態になるのは数えるほどで、夜に設定しても朝には水位の変化で全く役に立たないなんてこともざらだった。

かかるのは小魚とエビばかりで、結局、この方法でもウシガエルを捕まえることはできなかった。

 

苦渋の選択の末、ウシガエルの声が届かない妻の寝室に避難し、床に寝袋を敷いて寝ルことにした。

ウシガエルへの惨めな全面的降伏であった。

栄華を極めたウシガエルはそのダミ声で愛を語り合った。それは彼らの歓喜だった。

私はウシガエルの声から逃れることができたが、その代償として妻は私のいびきに夏中悩まされたのだった。

 

2.ウシガエル駆除方針

ウシガエルへの怒りは夏が終わっても消えることがなく、駆除方法を調査し、来るべき2019年夏への対策を考え続けた。家庭内にウシガエル駆除委員会を設立し、妻と下記の事柄を再確認した。

 

・ウシガエルは特定外来生物のため、捕まえたらその場で殺処分しなければならない

・ウシガエルはドブ川に沿って集中的に生息しており、他の水場ではあまり見られない

・ウシガエルの捕獲にはアナゴカゴ が有効であるため、引き続きアナゴカゴ 中心の作戦を実行する

・昨年のアナゴカゴ 「お魚キラー」は入り口が小さく、ウシガエルのサイズでは侵入できなかった

・ドブ川は雨の状況による水位の変化が激しく、入り口が完全に水につかる、もしくは水面につかないことが多かった

 

3.2019年春 開戦

上記の方針のもと、我々は私たちはシーズンに備えてウシガエル対策を準備した。

 

アナゴカゴ はこちらの製品に変更した。


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楽天レビューでもウシガエル駆除の成果が出ている。非常に有効な武器だろう。

課題であった侵入口の小ささについて、「お魚キラー」のほぼ倍の13cmあり、十分だと思われた。

中の大きさにもゆとりを持たせている。

続いて、川の水位によって入り口が沈んだり浮いてしまう課題はアナゴカゴ の中に1.5Lペットボトルを2本入れる事で対応した。浮力を持たせることで、水位に応じてアナゴカゴ の入り口も上下する。


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※お風呂でテスト中

 

これで2019シーズンの準備は万端だ。

川に浮いている状態でウシガエルが入ることができるのか、勝手に川にカゴを設置して良いものなのかなど、懸念点はいくつかあるが、それはやりながら改善していけばよい。 

これら準備が完了したのが2019年5月上旬であった。この頃にはすでに何匹かのウシガエルが鳴き始めていた。

 

今年も、始まる。

よろしい、ならば戦争だ。

アナゴカゴ を仕掛け、奴らを捕え、殺し、私の安眠を取り戻そう。

妻を睡眠不足で悩ますのはもうやめだ。

絶対に負けられない戦いがここにはある。

クリーク!クリーク!クリーク!

 

4.ウシガエル戦争 戦果

アナゴカゴ を設置して1週間後、定点観測担当の妻から連絡が入る。

「亀さんが網の中におった🤣🤣🤣」

気が重くなった。

実は、ドブ川にはウシガエルだけではなく、ミシシッピアカミミガメ も大量発生している。

ミシシッピアカミミガメ は特定外来生物に指定されていないので殺処分しなくても問題ないが、在来種に脅威を与える外来種であることから、本種であれば殺処分すべきだろう。

ウシガエルと異なり罪のないカメを殺処分することには多少の罪悪感を感じた。

 

帰宅して確認すると、亀は案の定ミシシッピアカミミガメ 2匹であった。この他にもカダヤシ(これも特定外来生物)と謎のエビ数匹がかかっていた。


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※夜なので寝ている?

 

もっとも良いミシシッピアカミミガメ の安楽死の方法は「冷凍庫に入れる」ことである。冬眠すべきと判断した亀は冬眠状態に入り、そのまま冷凍庫の低温で眠るように死ぬのだ。

当然、ドブ川から拾ってきたミシシッピアカミミガメ を冷凍庫に入れる許可を妻から得られなかったため、苦しませないとの方針から頭を潰す方法に変更した。ここの詳細は省く。

 

その後、数日は何も捕まえられなかった。

 

5月27日早朝、目が覚めてカゴを定点チェックすると、いつもとは違うずっしりとした重さを感じた。

ミシシッピアカミミガメ が首を伸ばしている様子が見える。

加えて、アナゴカゴ の中で暴れまわれる黒い物体。

これは…

高まる胸の鼓動を抑えきれず、私は素早くカゴをドブ川から引き上げて中をしっかりとチェックする。


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お分りいただけたであろうか…

今まで画像でしか見たことがなかったが、間違いなく私の安眠を散々邪魔してきた悪魔である。

体調は推定13センチ。

ウシガエルのサイズとしては普通だろう。

朝は忙しく出勤の時間が迫っていたため、カゴを改めて水中に戻した。本日は時間給をとって早めに帰宅し、ウシガエルを殺処分することに決めた。

 

ウシガエルの殺し方には様々な方法がある。一番メジャーなのが足をつかんで頭を石に叩きつける方法だが、慣れていないと一撃で殺すことができない。

一撃で脳を突き刺す方針に変更した。

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※100均でアイスピックを購入

本来であれば数カ月にわたって安眠を妨害された憎しみを込めて殺したいところだが、復讐には何の意味もない。ウシガエルも悪意があってやっているわけではない。

せめてもの慈悲で一撃で殺してやろうではないか。

 

夕方になると、5月とは思えない真夏日の日差しがやわらぎ始めた。

頃合いだ。

帰宅した私は準備を揃えてドブ川のほとりに立った。

覚悟を決めてアナゴカゴ の紐を引き上げる。

ふと感じる違和感。

ざわっ・・・

こんなに軽かっただろうか。

朝に引き上げたとき、ウシガエルが抵抗してぴょんぴょん跳ねていたではないか。

恐れていた黒い疑念が胸の中に侵入するのを払うかのように、急いでアナゴカゴ の中を確認した。


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いない。

あのグロテクスな悪魔はカゴの中から逃亡していた。

ミシシッピアカミミガメだけが所在なさそうにぼんやりとカゴの中でうずくまっていた。

失意とともにミシシッピアカミミガメ を天国に送り届け、アナゴカゴ をドブ川に戻した。

 

詰めが甘かった。

私のミスだ。

どうやってウシガエルがアナゴカゴ を抜け出したのかはわからない。アナゴカゴ に目立った外傷はなかったため、入り口から逃げたしたと思われる。

夜行性のウシガエルがアナゴカゴ にかかるとしたら夜である。毎朝アナゴカゴ をチェックし、ウシガエルを見つけ次第即殺害しなければならないと心に誓った。

ただ、ウシガエルがきちんとかかることはわかった。

手法をアップデートして続けていこう。

 

今回、結果は出なかったが大切なのは結果だけではない。 

大切なのは「ウシガエルの根絶に向かおうとする意思」だと思っている。

向かおうとする意思さえあればたとえ今回はウシガエルが逃げたとしてもいつかはたどり着くだろう?

向かっているわけだからな…………

違うかい?

 

5.エピローグ

陽は落ちたが夜はまだまだ蒸し暑い。

今日もウシガエルが交尾を求めて鳴き始めた。

奴らのこの嬌声をいつかきっと断末魔に変えてやろう。

長い長い戦いは始まったばかりなのだ。

本ブログでは今後も筆者とウシガエルとの戦いについて定期的に言及していきたいと思う。

 

※ウシガエルについて

ウシガエルは1918年に食用として導入された北アメリカ原産の巨大ガエル。生命力が強く、食用が旺盛なことから在来ガエルに殲滅的悪影響を与える。世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている。また、特定外来生物への指定に加え、環境省の生態系被害防止外来種リストにおける総合対策外来種のうち重点対策外来種に指定されている。筆者は毎年夏に安眠を妨害されており、深い殺意を抱いている。