shapieron

米国株トレードでカイエンと青山の土地購入を目指しています。

cis本の感想「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」

日経平均を一人で動かす力(総資産230億円)を持つcisさんという方がおります。2chおよびネット証券の黎明期から相場で勝ち続けており、twitterや2chでそのトレード手法やトレード哲学をよく投稿していたので、非常に人気があります。

そんなcisさんが初めて本を出すということで発売日に早速購入しました。

 

内容は、cisさんのトレードに対する考え方の前編と自伝的な内容の後編。

具体的なトレードの手法やチャート、数字が出ているわけではないので投資本としては比較的さくさく読めます。それもあってか、アマゾンでのレビュー評価は3.5と低めです。(2018年12月24日現在)

 

 

 

1.勝者共通のトレードに対する考え方

1代で230億円を稼いだcisさんのことだから何か特別なことをやっているに違いないと思い、トレードに関する考え方をざっとまとめてみました。

(1)トレンドに沿ったポジションをとる

(2)逆張りやナンピンはやらない

(3)含み益を伸ばして損切りは素早く

(4)自分を客観的に見ること

(5)行動すること

(6)トータルの損益で勝敗を考える

ちょっと拍子抜けしませんか?どれもこれも、ミネルヴィニが散々言ってきていることとほとんど変わりません。ありきたりと言えばそうかもしれません。でも、これをきちんとルール通りにできるかどうかは別問題であり、実施するのは非常に難しいです。だからこそ、これらをきちんと行うことで勝てるようになるのだろうと思います。

 

2.ドジョウ

トレードのアイデアをドジョウに例えており、非常にしっくりと理解できたので紹介します。どんなアイデアも最初は美味しくてそのあとは陳腐化して勝てないアイデアになってしまいます。その中で大きく勝ち続けるための鍵がこのドジョウです。

(1)1匹目のドジョウ

とにかく仮説を考えまくるとのこと。それも、常識的なものではなくて普通の人は考えていないようなものを考えているそうです。

「こんなことが起きたら、こんな展開で儲かる」みたいな仮説をいつも考えていて、アイデアを何十個かもっている。それがたまに実際に起こることがあって、そんなときは「はい、きた」みたいな感じになる。

(中略)

すでに常識になっているようなものではなく、まだほとんどの人が考えていないもので、明確なロジックがあるもの。あるいは誰も指摘していないしロジックは不明だけど、経験則として明確な関連が認められるもの。

基本的に相場は株や先物を対象にした参加者によるお金の奪い合いですから、他人を出し抜く必要があります。それに勝つための攻略法をひたすら考えている、そして思いつくのはすごいですよね。もしその仮説が実際に起きたら、絶対に一歩先んじることができるわけですから。

仮説思考は仕事でも非常に重要です。もっとも、cisさんほどの網羅性とスピードは重要ではないかもしれませんが…

(2)2匹目のドジョウ

二匹目のドジョウは、マーケットから学習して、儲かっているだろう事象をすぐにやること。これでもそれなりに利益を上げることができる。

例としてジェイコム株誤発注の話が出ています。この時もcisさんが誤発注の決済事例を事前に知っていたからこそ勝てるロジックを思いつくことができたとのこと。過去の事例をそのまま当てはめて利益を上げられることは多くありませんが、それを応用することはできます。

(3)3匹目のドジョウ

マスメディアに乗ったネタを追いかけるのではスピードが遅すぎるし多数の人が知っている知識で他人を出し抜けるはずがない

言われてみれば当たり前ですよね。たとえとしていて出ていたラブライブお誕生日投資法は私もよく覚えています。アクオスになってからラブライブも全く追わなくなってしまいましたが…

相場のアノマリーやチャートの形も、知られて何度か繰り返されることでマーケットが事前にそれを織り込むようになり、思うような値動きをしてくれないことが多々あります。

例えば、カップウィズハンドルなんかも理想的な形と言われていますが、思ったような値動きをしないケースは頻繁に目にします。これらもすでにマーケットに知られすぎているのでしょう。

 

3.cisさんでなければ書けないこと

cisさんじゃなきゃ書けないよなと思う話がいくつかあり、これだけでも買う価値があります。

(1)「株価を動かしているのは僕なのに」

cisさんくらいのトレード規模になると、損切りをするだけでマーケットの値動きを大きく動かすことが多々あります。cisさんがソフトバンクグループを50億近く損切りした時、テレビではアリババの株価などを原因に下落の解説をしていたそうですが、、、

その時間帯に株価を動かしているのは僕なのに、全然僕の思惑と違うことを勝手に想像して話している

でも、個人投資家がギブアップして売ったから下げたなんて普通は思いませんよね…

いつか私もこれくらいのことを言ってみたいです。

(2)「課金させてほしい」

ツイッターでお金をせびるDMが大量に来るとのこと。もっともこれはcisさんに限った話ではなく、投資家やトレーダーのtwitterには大量に似たような話が来ます。それに対するこのコメントは非常にシンプルで良い回答だと思います。

僕からお金が欲しいのであれば、投資の世界で僕に勝つか、めちゃくちゃ面白いゲームを作って課金させてほしい

なお、家を買うくらいのお金をゲームに課金しているようです。桁違いですね。

 

4.種銭は大事

これも当たり前のことですが、非常に大切なので引用します。

相場をやっている限り、もっているお金の量が力になる。

(中略)

種銭をなくしたら大きい勝負はできなくなり、大きな勝ち方もできなくなる

どんなトレードスタイルでもまずは種銭です。賃金ブーストをして種銭をためて勝負の場に立つことから始めなければなりません。100万円を頑張って倍にしても+100万円。1,000万円を10%増やしても+100万円。

 

5.長期投資はやらない

明日の株価がわからないのに長期の株価なぞわかるわけがありません。私も基本的に個別の企業に対してはその姿勢でトレードしています。バリュー投資ではとある株を「長期で見れば今の株価は割安だ」と言っても、前提状況は時間とともに変わりますし、マーケットの思惑はその株をずっと割安のままにしておくかもしれません。

 

6.ゲームの延長としてのトレード

株式トレードをゲームと同じように捉えていることがよくわかりました。「攻略法」「奪い合い」などという表現からもその考え方を感じられます。ゲームで勝つのも相場で勝つのも同じ、自分を客観的に見て勝ち方を工夫して、データに基づいて勝てる確率の高い手段をとる点は非常に似ているます。

 

アマゾンレビューでは「軽薄な自慢の自伝」とか「当たり前のことしか書いてない」などのレビューも散見されます。確かにさらっと読んだだけではそう感じるのも無理はないかもしれません。文章が話し言葉で、特に校閲とかもしてなさそうですので。ただ、トレードに対する大切な考え方が詰め込まれています。

 

やっぱりトレードで勝つのって修羅の道ですね。

自信を持ってお勧めできる、2018年をしめるにふさわしい一冊でした。