shapieron

米国株トレードを中心に普通の人が資産形成をする方法を紹介します。カイエンと青山の土地購入を目指しています。

株式投資の利益は規律料。損切りできない投資家はセンスがない。

著名な米国株アフィブロガーのチョコさんが「株式投資の利益は我慢料。損切りする投資家はセンスがない。」という一風変わって記事を書かれています。

損切りは自分の資金を守るため必須の行動だと言うのが世間一般の認識ですから、キャッチーなタイトルで釣って常識的なことを書いているのかなと思い、Adblockをフル稼働させてブログ記事を拝見しました。結果、本当に損切りする投資家はセンスがないとおっしゃっているのでびっくりしました。

 

該当記事を要約します。

・損切りというのは持ち株がこの先二度と上がらないことを認める行為そのもの

・証券会社が損切りを勧めるのは、個人投資家が株を多くトレードしてくれたほうが手数料が稼げるから

・長年相場で生き残って、堅実に利益を上げている投資家を調べてみると、どんなに含み損になっても根気よくナンピンし続けた人や、気絶投資法で相場の回復を待った長期投資家だった

・個人投資家は優良株を握り続けている以上は損切りなどせずにじっと耐えることが肝心

・損切りが有効なトレードは機関投資家や天才が有効に使える術で個人投資家が使いこなせるものではない

 

トンデモ記事だなと言うのが率直な感想です。EM泥団子や水素水を初めて見た時のような衝撃を受けました。 

バリュー投資やトレーディング、スタイルにかかわらず規律に基づいた損切りは必須です。

 

1.損切りとはなにか

損切りとは、下記の二つのケースがあります。

  • 利益を得るため、動きが良くない所有株から強い株に資金を振り分けるために所有株を処分する行為
  • 自身が間違えた時に規律に合わせて損失を限定する行為

どちらも自分の資金を守るor増やすための行為であり、持ち株がこの先二度と上がらないことを認める行為ではありません。持ち株がこの先上がるだろうなと考えていても、より期待を持てる株を買うために含み損の銘柄を処分するのはよくあることですし、十分に合理性があります。

 

2.証券会社の利益の源泉

チョコさんは「証券会社が損切りを勧めるのは、個人投資家が株を多くトレードしてくれたほうが手数料が稼げるから」とおっしゃっていますが、私は利用している証券会社から損切りを勧められた経験はありません。念のため、SBI証券とカブドットコム証券のHPを確認しましたが、損切りを進める文書を見つけることはできませんでした。投資をしたくなるようなレポートはいくつかありますが。

対面でアクションを取らないネット証券会社がこのようなことをすることはないでしょう。ネット証券会社も投資家に頻繁にトレードしてもらうことで手数料を得ることができますが、他の収入源を持っています。SBI証券の決算資料

https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/irpress/kessanshiryou_180731.pdf

です。売買手数料も大きいですが、金融収支やトレーディング損益も大きなウェイトを占めています。「証券会社が個人投資家から売買手数料を稼ぐために損切りを勧めている」というのは無茶なこじつけです。

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3.相場で生き残る投資家

対して、長年相場で生き残って、堅実に利益を上げている投資家を調べてみると、どんなに含み損になっても根気良くナンピンし続けた人や、気絶投資法で相場の回復を待った長期投資家だったのです。

 何か調査結果があったのでしょうか?出典が明示されていないためわかりませんが、ナンピンし続けた人や気絶投資法で相場の回復を待った人が生き残り、トレーダーが消えたというのは賛成し難い言説です。もちろん、リーマンショックで多くのトレーダーが消えたことは事実でしょうが、その他のバリュー投資家やナンピン投資家も消えたことは容易に想像できます。チョコさん自身がナンピンや気絶投資法を好きなので、それによって暴落を生き残った人々の声を過大評価しているだけでは?

生存バイアスと言う単語をご存知ですか?知らなかったらググってください。

 

では、相場で生き残る投資家、特に下落相場で生き残る投資家はどのような投資家なのでしょうか。生き残ると言う観点では稼げる投資家よりも下記のような投資家が適切だと考えています。

  • 規律を守って資金管理をできる投資家
  • 大きなドローダウンを防ぐ投資家

規律を守って慎重にポジションを取り、厳しく資金管理を行いましょう。大きなドローダウンを引き起こすような下落中のナンピンやハイレバ取引を控え、含み損がルールの値を超えたら淡々と損切りしてそれ以上の損失を避けること。

これができない投資家は、一時的に大きな利益を得ることができてもいずれリスク管理で失敗して死にます。運良く勝ち続けていたとしても、リスク管理ができなくなれば死にます。具体的斜めを上げるのは控えますが。ちょっと調子に乗ってリスク管理をおろそかにするととんでもなく大きいドローダウンを受けてしまうのが株式投資です。

規律を守って取引できる投資家こそが株式投資家ら利益を得ることができるのではないでしょうか。

 

4.【結論】損切りは投資家/トレーダーに必須の技術

損切りは「絶対に必要な技術」であって、これができない投資家の方がセンスがありません。

損切りができない投資家はいずれ大きなドローダウンを受けて立ち直れなくなります。GEを優良株だといってひたすらナンピンし続けた投資家の現在の惨状は想像にかたくありません。

(1)ドローダウンの重大な影響

一度大きなドローダウンを受けてしまうと、それを元の水準に戻すためには損失以上の利益が必要になります。

例えば、100ドルのポジションが下落して50ドルで売却したとします。50%の損失が出てしまいました。この50ドルを元の100ドルに戻すためには50%の元手では足りません。

100ドル×50%=50ドル

50ドル×150%=75ドル

50ドル×200%=100ドル

50%の損失を補填するために、損失後の資金を倍増させなければなりません。

大きな損失は私たちの資金を失わせることに加えて稼ぐ能力を奪うのです。これが厳しい。これは、バリュー投資家もトレーダーも同じです。

(2)ナンピンは不要

長期投資家であったとしてもナンピンをする必要はありません。株価が下がると言うことはこれから先も下がる可能性が高いことを示しています。損切りをして下がりきるまで待ち、上昇の兆しが見えたタイミングで買い戻しても何の問題もありません。

(3)損切りした後に株価が上がるのは普通のこと

損切りした銘柄が上がって悔しい思いをすることは多々あります。でも「損切りした後に株価が上がった」こと、すなわち利益を取り損ねることはドローダウンではありません。被害ゼロです。ポジションを取る位置が悪かっただけで、損切りをすることは何も悪くないのです。

一方で損切りができずに下がり続ける株価を一縷の望みにかけて見つめる投資家、ナンピンしてしまう投資家を待つ未来は悲惨です。うまくいって株価が復活する可能性もあります。しかし、10回のナンピンのうち9回株価が戻って利益を得ても、1回のナンピン失敗で大きなドローダウンを受けると、資金を取り戻すにはそれまで以上の利益が必要です。

 

さて、これらのことを考えると「損切りする投資家」と「損切りしない投資家」、センスのない投資家はどちらでしょう。

私にはこの答えが明らかですし、チョコさんの記事を読んでおかしな妄想に取り憑かれて失敗する投資家がいないことを願ってやみません。