shapieron

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毎日新聞と認知バイアス

 興味深いニュースを見つけました。

 

headlines.yahoo.co.jp

本の論文のリンクを貼っておきます。新聞記事に引用される時点でだいぶ歪められることも多いので、このような記事を読むときには元になっている論文を参照する癖をつけた方が良いです。

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)32252-3/abstract

 

毎日新聞には「炭水化物の摂取が命を縮める」とありますが、本当でしょうか。

この記事に出てくる江部康二という方は「糖質制限食の体系を確立したパイオニア」という方らしく、この時点でこの記事の内容が糖質制限を「持ち上げる」ための記事になっていることは容易に想像がつくと思います。

 

私が気になった点は下記の一点です。

「これまでの研究データのほとんどが、高所得で栄養過剰傾向にある欧米のものでした。しかし、この研究は低所得、中所得、高所得の18カ国を網羅しており、その点でも信頼性の高い研究だといえます。」

これは本当でしょうか。所得や国を多く網羅していた方が、「信頼性の高い研究」と言えるのでしょうか。

医療の臨床試験は、「ランダム化プラセボ対象二重盲検試験」で行われるのが理想的だと言われています。

 1.対照群と治療群とが比較されること

 2.どちらの群にも、十分に多くの患者が含まれること

 3.群への割り振りは、ランダムに行われること

 4.対照群には偽薬を与えること

 5.対照群と治療群とを同じ条件下に置くこと

 6.患者には、自分がどちらの群に属しているかわからないようにすること

 7.医師が患者に施す治療が、本物か偽物かを、医師も知らないようにすること

 サイモン・シン代替医療解剖』より

上記の「これまでの〜」の文章は、5つ目の条件に大きく反しているように見えます。

条件が異なる人々を比較すると、調査対象以外の影響に左右されることになります。

 

基本的に、貧しい人々の食事は炭水化物が多くなります。

これは、小麦や米といった炭水化物を多く含む作物が安価にカロリーを摂取できるからです。

肉や魚や野菜は、小麦や米と比べるとカロリー摂取効率が悪く高価なため、低所得者層にとっては手を出せません。

つまり、第五群の死亡率が高いのは、ただ単純に所得が低いためにバランスのとれた栄養を十分に摂ることができず、衛生状態や医療レベルが低いことによって、寿命が短く出てしまったわけではないかと思うのです。

 

この論文の著者も江部さんも毎日新聞も、「糖質制限食は健康にも良い」という認知バイアスの元でこの論文を読み、調査対象の条件の違いによる結果と炭水化物の摂取量を誤って因果関係をつけてしまっただけなのではないでしょうか。

フェイクニュースと言わないまでも、報道機関の姿勢としていかがなものかと思ってしまう、興味深い記事でした。